取れない取れない

高校の修学旅行のようなものに来ている。どうやらお風呂タイムのようだ。旅館のお風呂以外に、向かいの中華屋さんにも温泉があるらしく、そこがオープンするのを待っている。全員裸に上着スタイル。ほどなくオープン。四角いプールのような所に水が入っていて、そこに店員が塩のようなものを大量投入すると、そこからお湯がグルグルと渦を巻いて飛び上がって龍のように噴出。すばらしいパフォーマンスに一同感嘆。そしてまた別の店員が何か入れると、ドでかい亀や魚がプールの中で所狭しと舞泳ぎ始める。まるで海遊館のでっかい水槽のようだ。そこに店員が入り、こんなふうですーほら亀にも乗れますーとやっている。・・・これは温泉ではない。そう思っているのに何故かそのお風呂に入る自分。入り、程なくしたところで肩に痛みが。なんだなんだと思って肩を見ると魚にがっぷり噛みつかれており、そうそう取れないご様子。ピチピチとシッポを揺らしているその魚を肩につけたまま中華屋へ行くと、「あーすぐには取れないからそこで待ってたら?」と言われ待っている。魚はどんどん肩に食い込んでいく。痛くはないが、毒が回って死ぬんじゃないかという恐怖が襲う。店員が言う。「先生が今日はこないから入院」。何度も言うがここは中華屋である。魚が大人しくなるにつれ、痛みは無くなっていった。次の日あっけなく先生として現れたうちのリアル妹によって魚が取り外される。素手で。怪力で。やっと退院できるうれしさを越えて、私の心を浸食する恐怖。ベッド代・・・どうやって払おう・・・保険・・・。終わり。『私の夢・ファンタジー』最新巻より。「肩魚」でした。サカナサカナサカナー。