アート・ミーツ・メディア:知覚の冒険@ICC


前林明次さんの「縮尺1:1の地図」トライアウトに参加してきた。感想はまた後で。ICCのS友さんにはどこかであったことがある気がするのだが、参加している間ずっと考えてもとんと思い出せない。

トライアウトまでちくりと時間があったので場内をざっと。池田亮司さんの「db」や前林明次さんの「AUDIBLE DISTANCE」、ゲープハルト・ゼンクミュラー「VinylVideo」は体験してる時間がなく、21日までにもう1回行こうかな。そんな中、おもしろかったのはジェフリー・ショーの「Legible City」

《レジブル・シティ》は,スクリーンに映しだされたマンハッタン,アムステルダムカールスルーエの街を,自転車で自由に運転することができる作品です.ただし行き交うのは建物ではなく様々な文字であり,自転車をこぐことでそれらが次々に並置され,また混ぜ合わされていきます.インタラクティヴ・アートの代表作としてよく知られた作品です.

どこまででも行けるぜ!という爽快感。動かない自転車を漕ぎながら自然にニヤけてくる。壁は壁であって壁ではなく、そこもつきぬけて遠くまで行ける。文字が並んでいるだけの街なのに、街並みを見ながら走っているような楽しさ。そして私はどこまで移動好きやねん!というオチ。後ろに人がいなかったらすっげー距離走ってたであろう。もちろんニヤけながら。

さて、「縮尺1:1の地図」トライアウトは作品の外観から言うと、つむじの部分に豆電球をつけたヘッドフォンとpowerbookの入ったリュックを装着し、ある規定の範囲をぐるぐる歩き回る作品(写真がそれ)。「歩く巨人の会」とかいう名前がつけられてましたが、とにかく「何してるんですか?」とかなり聞かれたよ。怪しいよね。やっぱり(笑)。なんで歩き回ってるかというと、所定のポイントで決まった音が鳴るのです。小さいスペースを歩き回っているように見えるけど、歩いている方はちょっとしたポイントで鳴る音が違うので、それを確かめながら歩いてるのです。狭いけど広い。パターン1,2は電子音が、パターン3のはいろいろな土地で拾った音が鳴るのだけど、パターン3はバーっと急いで歩いていると、小さい範囲なのに都内を旅行しているような気分になってとても楽しい。歩いても歩いても歩き足りない。確かに距離ってなんだろう?って思ってしまうね。

全然関係ないのだけれど、展示を見てたら突然「隣の人と自分が全く違う見え方をしていたらどうしよう」という不思議な気持ちにおそわれる。違う色とかじゃなくて、自分が人間に見えているものが、隣の人には火星人に見えていたら?自分がチューリップ型に見えているものが、誰かには食虫植物に見えていたら?見えていない可能性はないわけで。でもそれが信用するってことなのかなあとか。