銀のエンゼル(鈴井貴之監督)

<解説文>
北海道でカリスマ的人気を誇る鈴井貴之監督作。北海道のコンビニを舞台にオーナー父娘と、そこに集う人々を描く心温まるドラマ。
(日本映画・ある視点 部門)

鈴井監督の作品、実は「水曜どうでしょう」を知る前に「manhole」のチラシを見て、見てみたいなあと思っていたぐらいで、あらすじや概要を知ると見てみたいなあと思わせるものなんですが、実はまだ見たことがなかったのでした。今回も、「銀のエンゼル」とか「コンビニ」なんていう日本人にはある意味キャッチーな単語がちりばめてあるので、結構期待してたんですけど、正直ちょっと期待はずれ。ただ、小日向文世オーナーと西島秀俊バイトくんのコンビニにはかなり通いたいと思いました。あ、あと、撮影前に「斜里町っていうすごい遠いとこでロケします」って何かに鈴井さんが書いてて、それを読んで「ほーう。そんなすごい田舎なんかー」と思ってたのだが、そこに今年何回も通うことになろうとは・・・。不思議な縁です。結構知ってるとこがポツポツ写ってておもしろかったです。
えーと、そしてこれからかなり厳しいことが書きたいんで(笑)、こっからは水曜どうでしょう」及び鈴井さんファン、この映画が大好きな人で、イヤな思いをしたくない方は読まないことをオススメします
すごく雑に作りすぎていると思う。画が繋がってないのもそうだし、話の辻褄があってない。カメラアングル、ひとりひとりのキャラ設定、話の進め方などなどなど、あげればキリがないぐらい。話もはしょりすぎている。みんなが何かしよう!と行動するに至った考えみたいなのが全く伝わってこないのに、突然行動に出てしまう。ちょっとそりゃないんじゃないの?そこが大事だと思いますよ。なんか監督さん、人の気持ちにはあんまり興味がないんだろうか。とにかくおもしろい行動や反応が続いていればいいと思ってるのだろうか。映画って映像だけど、写らない何かが大事なんだと思うので、そこがすごーーーーい雑に作られていて残念。そんな人じゃないと思ってるから。そして、あのー…もう「どうでしょう」とか、そういうことを捨てて作品作ったほうがいいと思う。これじゃあまりにもアイドル映画だ。既にパンフレットの解説文でなめられてるよ、監督。自分のこと知ってる人に向けて「わかるよね?」って作っちゃいけないと思う。あと、突如挿入されるテレビ的な撮り方(ダンスシーンとか画面がぐるっとまわってバーンと登場とか)はすごくダサくて目が覚めるようだったです。お茶漬け的サラサラ映画にしたかったのなら、コンビニの変な店員と変な客たちのドラマで全然よかったのに。てか、それがみたいのでやってください。